AWSはIaaSの中ではシェア率が約40%とダントツで使われていますが、その比較対象としてはAzureやGCPの名前が上がることが多いですね。
私の場合はAWSしか運用経験がなかったので、それぞれの良さを知るためにもGCPも少しずつ触っていこうと思います。
GCPの設定方法については記事にできるほどの知識がありませんので、今回の記事ではAWSと比較して思ったところをまとめてみました。
今回はAWSで言う所のEC2に相当するサービスである、Google Compute Engine(以下:GCE)を触ってみました。
GCEの起動
GCEのインスタンスを起動する際にはインスタンスを単体で起動する方法と、インスタンスグループを作成して起動する方法があります。インスタンスグループとは、EC2で言う所のAutoScalingグループのようなもので、負荷に応じて自動的にスケールすることができます。
起動時にはインスタンスタイプを選択する以外に、自由にvCPUとメモリの割り当てを指定することも可能でした。
ストレージはAWSのインスタンスストアに相当するローカルSSDと、EBSに相当する永続ディスクがあります。
構築済みイメージの配信場所としてMarketplaceがあります。
Bitnamiによる構築済みイメージもあるため、必要な構築済み環境はおおよそ揃うでしょう。
ファイアウォール
AWSで言う所のセキュリティグループに相当する機能として、ファイアウォールルールがあります。
AWSのセキュリティグループと比べると使い勝手は少々異なるのですが、できることは全く一緒のようです。
事前にポート設定やIPの制御をファイアウォールルールとして作成しておき、GCE側の設定でタグとして適用したいルールを選べば良いようです。
料金の比較
AWSとGCPの比較では、一般的にGCPの方が料金が安いと言われています。
AWSにはスポットインスタンスやリザーブドインスタンス、Savingプランなどコストを抑える方法がたくさんあるわけですが、それでもGCPの方が安いのでしょうか。
タイプ | スペック | 料金 | |
AWS | t3.micro | vCPU2 / メモリ1GB | 1,077円/月 |
GCP | e2-micro | vCPU2 / メモリ1GB | 871円/月 |
ほぼ同等のスペックの仮想マシンをAWSとGCPで比較してみました。
どちらも通常通り起動した場合の値段では確かにGCPの方が安くなりそうですね。
契約名 | 説明 | AWSでの類似プラン |
プリエンプティブインスタンス | GCEの余剰リソースを安く利用できる。突然インスタンスをシャットダウンされる可能性もあり、最長でも24時間しか起動できない。 | スポットインスタンス |
確約利用割引 | 事前に1年・3年分の料金を支払うことで57%の割引でリソースを使用できる。メモリ最適化インスタンスの場合は最大で70%程度の割引で使用できる。 | リザーブドインスタンス / Savingプラン |
継続利用割引 | 1ヶ月あたりの使用量に応じて最大で2-3割引でリソースを使用できる。 | – |
確認したところGCPにもAWSとほぼ同等のプランが存在していました。
そのため、これらの契約を駆使した場合でもGCPの方が料金が抑えられそうです。
特に継続利用割引は効果が大きそうですね。前月分の利用に応じて自動的に適用されるようなので、実際のオンデマンド料金もAWSと比較するとGCPの方がさらに安くなりそうですね。
AWSとGCPどっちが良いか
EC2とGCEの比較だけで見るとGCEのコストの安さが魅力的に見えますね。
サービスの用途が明確でありクラウドコンピューティングサービスだけが必要であればGCEを利用する方が良さそうです。
一方でAWSのサービスであるEC2は他のAWSの様々なサービスと連携することができますので、AWSの様々なサービスを活用したい場合にはEC2を選択することになるでしょう。
コストの安いGCPと、多機能のAWSといった形での選択になるのかなという印象です。
一概にどちらが優れていると言い切れませんので、用途に応じたIaaSの選択をしたいところです。
おわりに
普段はAWSしか触っていない私がGCPのサービスを触ってみました。
実際に触ってみた感想としてはGCEもEC2と非常によく似ているため、機能を覚えること自体は難しくはなさそうです。
GCPについては私が知識不足なところあり、どのようなサービスがあるのか、どのようなことが実現できるのかがはっきりと分かっていません。
そのため、今後もAWSの記事のように機能紹介ではなく、実際に触ってみて感じたことやAWSのサービスとの比較・類似点について思ったことを記事していければと思っています。
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