[AWS] FF15ベンチマークでEC2のゲーミング性能を測定してみた!

はじめに

以前にEC2インスタンスでクラウドゲーミングを実現する方法を記事にしました。

当時はPSO2 NGSというゲームをプレイするためにg4dn.2xlargeインスタンスを起動してプレイしていましたが、実際にベンチマークスコアを測定したわけではないのでどの程度のゲーミング性能があるのかいまいちピンと来ませんよね?

というわけで今回はFF15ベンチマークを用いてゲーミングスコアを測定して、FF15程度のゲームを遊ぶためにはどの程度のスペックが最適なのかを調査しようと思います。

実験用の環境紹介

今回は以下の3つの検証環境を用意します。

検証環境1: g4dn.12xlarge
検証環境2: g4dn.xlarge
検証環境3: g4dn.2xlarge
※ EBSはgp3 (IOPS3000 / Throughput 125MiB/s)

それぞれの検証環境の意図としては、まず最高峰のスペックであるg4dn.12xlargeでベンチマークスコアを測定してリソースにボトルネックのない状態でのスコアを測定します。

続いて小さいスペックであるg4dn.xlargeでベンチマークを測定します。
この時点で検証環境1とスコアに大差がなければ、FF15程度のゲームをするのであればg4dn.xlargeで十分ということになります。

最後に検証環境2より一回り大きいインスタンスで測定をします。
検証環境2でボトルネックになっている場合に、検証環境3でスコアが改善するかを調査します。

検証環境1

検証環境1の具体的なスペックは上記の通りです。

メモリが192GiBはゲームをするには過剰過ぎますね。
GPUはNVIDIA T4 Teslaが4基搭載されていますがこのモデルはSLI不可能なので実際に稼働するのは1つのみです。ボトルネックを無くすために大きなサイズを立てたとはいえ、ゲーム目的にはかなり無駄な構成であることがわかります。

CPU性能を測定するためにCINEBENCH R23を実行してみました。
CPUはIntel Xeon Platinum 8259CLが搭載されているようです。

マルチスレッド性能は23238ptsと流石はXeonという感じのスコアでした。

FF15ベンチマークをFullHD最高品質で実施したところ、スコアは5702やや快適判定でした。
どうやらTesla T4はQuadro系列のGPUのようで、ゲーミング処理は苦手のようです。

このスコアをベースに、FF15をプレイする上で無駄の少ないサイズを探っていきましょう。

検証環境2

検証環境2はGPU性能は検証環境1の時と全く同じ性能が出ることが期待できます。
メモリも16GiBあればゲームには十分でしょう。

問題はCPUの論理スレッド数(vCPU)が4コアしかないところでしょうか。

Xeonのプロセッサはシングルスレッド性能は低めで、たくさんの論理スレッドで演算を回すことで強力なマルチスレッドパフォーマンスを発揮します。逆に言うと、コア数が少ないとCPUの演算能力が不十分でボトルネックになってしまう可能性が高いです。

FF15ベンチマークのスコアは3236普通判定。

しかし実際には音割れがひどく、画面が非常にカクついていました。
また、MSIアフターバーナーでリソースを監視しているとGPU使用率は3-40%程度にも関わらずCPU使用率は100%に張り付き続けています。

このことからg4dn.xlargeではCPUがボトルネックになってしまいGPU性能が発揮できなかったことが分かります。

検証環境3

検証環境3ではコア数とメモリが倍増しています。
また、1日あたりの料金は約4,800円とまだ現実的な価格ですね。

実際のベンチマークスコアは5426やや快適な判定でした。
これは検証環境1で測定した最大値にかなり近いスコアであることがわかります。

実際のベンチマーク中の挙動としてはGPU使用率が100%にタッチすることが多々ありましたが、CPU使用率が100%に張り付き続けるような場面はありませんでした。

CPUもGPUもどちらも使用率が高いことから、FF15をプレイする上ではg4dn.2xlargeは最適なサイズであることがわかります。

おわりに

今回は3種類のインスタンスを利用してFF15のベンチマークを測定しました。
多くの場合ではとりあえずg4dn.2xlargeのインスタンスを立てておけばゲームには困らないと思います。

とはいえ1日中インスタンスを実行するとかなり高額ですし、近年ではGeforce Nowのような無料でも十分なクオリティでゲームが遊べてしまうクラウドゲーミングサービスも登場しています。

わざわざEC2でゲームをしたい場面はあまりないかもしれませんね。
(元々需要が少ない使い方でしたが…)

今回はベンチマークを回すだけの記事だったので少々物足りませんでしたが、そのほかにもベンチマーク記事を上げているのでよかったらみてください。

では!


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