EFSが東京リージョンに来てからもう2年と半年が経つのですね。
マウントポイントが作れるようになったり、AWS Backupに対応したり最低スループットが上がったりと様々な進化をしてきました。
今回はその中でも特に嬉しいスループット向上が発表されたので記事にしてみようと思います。
何が良くなったのか
今までの汎用モードで実行しているEFSは、バーストクレジットを消費して最大で100MiB/sのスループットを出すことができました。
しかし今回は読み込み時のみ、バースト時の最大スループットが300MiB/sになるそうです。
さらに上限が300MiB/sになっても、バーストクレジットの消費は以前の100MiB/sの時と同じ粒度。単純に読み込み速度だけが3倍になったようですね。
プロビジョニングモードも同様に、現在の設定値から3倍までの読み込みパフォーマンスを発揮することができるようです。
ただし書き込みに関してはバースト時で100MiB/sであることは変わらないので、そこだけ注意が必要ですね。
実際に読み込みのパフォーマンスが上がっているのか検証してみることにします。
検証環境
新しく作成したばかりの何もデータが入っていないEFSを作成しました。
こいつをt3a.largeインスタンスにマウントした状態で、読み込みスループットを計測してみます。
検証コマンド
# checkという名前の1[GB]あるダミーファイルをマウント先に配置 $ dd if=check of=/dev/null
検証にはcheckという名前で1GBのダミーファイルを生成しておいて、ddコマンドによる検証を行いました。
実行結果
実行時間は3.8秒で、279MB/sでした。
MiBに変換すると266MiB/sくらいでしょうか。
ちなみに2018年8月に同様の検証を行なったデータがありますので比較のために出してみましょう。
こちらは実行時間は17.4秒で、61.5MB/sでした。
MiBに変換すると59MiB/sくらいですね。
マウントしているインスタンスタイプが異なるため、若干100MiB/sから離れていますが、両者を比較すると以前よりも読み込み速度が上がっていることがはっきり分かりますね。
ドキュメント
この記事を書いている時点では、AWSでの日本語版公式ドキュメントでは読み込みスループットが3倍になったことは反映されていませんが、英語版のドキュメントではきちんと今回のアップデートが反映されていますね。
ドキュメントの中身も確認してみましたが、単純に読み込み速度が3倍になっただけと覚えておいて差支えなさそうです。
おわりに
EFSを使うとどうしてもスループットの低さが問題になりがちなのですが、今回のアップデートで非常に使いやすくなったと思われます。
特に読み込み速度が3倍になったにも関わらずバーストクレジットの消費が変わらない点がポイントとして大きいですね。
速度が早くなった分、バーストする期間も短くなるので少ないクレジットの消費で抑えることができるのではないでしょうか。
ベースラインのルールについては相変わらずなので、クレジットの蓄積についてはある程度管理しておかなければなりませんが、EFSを使うメリットが一層増えたことは大きいと思います。
次はEFSの書き込みパフォーマンスも向上すると嬉しいですね。
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